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2024年05月20日(月)

イタリア中が恐怖に包まれた誘拐事件の真相を描いた“340分の大長編”公開決定

マルコ・ベロッキオ監督『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』8月9日より全国順次公開決定 (C)2022 The Apartment - Kavac Film - Arte France. All Rights Reserved.
マルコ・ベロッキオ監督『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』8月9日より全国順次公開決定 (C)2022 The Apartment - Kavac Film - Arte France. All Rights Reserved.
 イタリアの映画監督マルコ・ベロッキオの作品『Esterno notte』が『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』の邦題で8月9日より東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開される。

【動画】『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』特報

 現在、日本ではマルコ・ベロッキオ監督による、映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』が公開中。こちらは、ユダヤ人街で暮らしていた、7歳を迎えるエドガルド・モルターラが教皇領の警察により連れ去られ、時の皇帝ナポレオンやロスチャイルド家ら、全世界を巻き込んだ“誘拐事件”を題材としている。

 『夜の外側~』も“誘拐事件”が題材。1978年3月のある朝、元首相で、キリスト教民主党の党首のアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲われ、誘拐された。冷戦下で混迷を極め、“鉛の時代”と呼ばれていたイタリアで起きた国家を揺るがす大事件の裏側で、その時一体何が起こっていたのか?

 ベロッキオ監督は、過去に同事件を赤い旅団側から同事件を描いた映画『夜よ、こんにちは』(03年)を発表。「すでに語られた物語には戻らない」と公言していたベロッキオ監督だったが、今なお謎多き事件を、“羅生門方式”とも言える6つの視点で再構築した。

 1978年3月のある朝、戦後30年間にわたってイタリアの政権を握ってきたキリスト教民主党の党首であり、5度の首相経験のあるアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に襲撃、誘拐されてしまう。世界が注目し、イタリア中が恐怖に包まれたその日から55日間の事件の真相を、アルド・モーロ自身、救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと旧知の仲である教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、そして妻であるエレオノーラ・モーロの視点から、史実にフィクションを織り交ぜて描いた。

 340分の大長編にもかかわらず、22年5月に開催された「第75回カンヌ国際映画祭」カンヌ・プレミア部門で世界初上映されると、各国のプレスから絶賛された。イタリア本国では同年5月、6月に前編後編に分けて劇場公開、その後、秋には国営放送RAIで3夜に渡って放送され、高視聴率を記録した。イタリアのアカデミー賞と言われる「第68回ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」では、17部門18ノミネートを果たし、監督賞、主演男優賞をはじめとした4部門を受賞。昨年、日本で行われた「イタリア映画祭2023」でアジア初上映された際には、観客から「ストーリーに引き込まれ、アッという間の3時間半!」「ベロッキオの最高傑作!」といった熱い声が続出した。

 解禁されたティザービジュアルは、赤い旅団を彷彿とさせる真っ赤な背景に、誘拐される瞬間のシーンを切り取ったシンプルでインパクトの強いビジュアル。そこに「元首相 拉致監禁。事件の裏側で何が起こっていたのか?」と一文が載る。

 特報は、力強い演説をするモーロの姿から、党内の面々、教皇パウロ6世や妻エレオノーラをはじめとした家族、そして赤い旅団のメンバーが次々と映し出され、最後にモーロの「死にたくないことの 何が狂ってますか?」という言葉が印象的に響く。



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