AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「働かないアリ」

 ひと昔前、企業の中間管理職の間に「2・6・2の法則」という言葉がはやったことがある。

 ▼人間の集団には、放って置いても働く人が2割、働かない人が2割、周囲の雰囲気によって、どちらにも流される人が6割という法則がある。それはアリやハチなど「社会性昆虫」の行動原理によって裏付けられており、どんな集団にも当てはまる。だから、6割の人たちをいかにして働く側にシフトさせるかが管理職の手腕であると説明された。

 ▼ところが、北海道大学大学院の長谷川英祐准教授の研究チームによると、実は働かないアリがいた方が集団は長く存続できることが分かった。働き者のアリが疲れて休んだ時に、怠け者のアリが代わりに働くようになるからだという。

 ▼この話は17日に配信された共同通信の記事によって教えられた。記事を読みながら、アリの行動がそのまま人間の組織にも当てはまるのか、働き者が休んだ時、怠け癖のついた人間が本当に代役を担えるだろうかと考えた。

 ▼難儀なことに人間社会には「小人閑居して不善をなす」という言葉がある。今は働かなくても、いつか来る出番に備えているアリとは違って、人間は働く者を嫉妬して足を引っ張ったり、デマを流したりして組織をかき乱すことが少なくない。

 ▼そういう現実を見ると、人間はアリにも劣るのかという疑問が湧く。組織管理の在り方を考える上で、さらに研究を深めてほしいテーマである。(石)



更新)