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「ローカルの視点」

 日本銀行の広報誌「にちぎん」の最新号に掲載された日銀副総裁、岩田規久男氏と経営共想基盤代表取締役、冨山和彦氏の対談が興味深かった。テーマは「日本経済復活の処方箋」。それをグローバルとローカルに分けて考え、話を進めている。

 ▼その中で、冨山氏は世界中の同業他社がライバルになるグローバル型企業と違って、ローカル型企業は自分の得意な市場で商圏を固め、サービスの密度を高めて地域に向き合えば成功の確率は高いと強調。対面型のサービス産業、具体的には小売業や飲食業、宿泊、交通、医療、介護、教育、保育などに今後の可能性があるという。

 ▼それぞれ労働集約的な事業であり、人件費の比率が高い。競争原理も働きにくい。しかし逆に考えれば、その部分にメスを入れ、生産性を高くすれば、チャンスに変わる。これまでは新陳代謝の決断を先送りしてきたが、そこを突破できれば、日本の労働者の7割が働く地域型の産業群は成長の宝庫になる、と説くのである。

 ▼この主張を紀南の産業にあてはめれば、経済に疎い僕でも、話の筋は理解できる。企業の経営者と従業員が地域に向き合い、適切な経営努力と工夫をすれば、生産性は上げられる。それはこの地で事業を成長軌道に乗せている産直店や情報産業が証明している。

 ▼人口減に直面し、低成長が当たり前のように思われている紀南の現状に胸を痛めている一人として、元気の出る対談だった。(石)



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