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「トランプ就任」

 ケネディ政権以来半世紀余り、私は米国政治に関心を持ち続けてきたが、20日のトランプ新大統領の就任ほど世界中が不安の目で見る例を知らない。

 ▼就任前から好き勝手にツイッターでつぶやけば、世界的大企業も震え上がって経営方針を転換、各国政府も対応に振り回される。さすがは世界最大の権力者だが、注目すべきはプレスとの関係だ。

 ▼当選後初めて開いた先週の記者会見で、CNN放送の記者との間で激しい非難の応酬があった。ロシアはトランプ氏のスキャンダル情報を握り、大統領選に利用したという報道がネット上に出回っていた。それを追及する記者をトランプ氏は「でたらめだ」と罵倒し、質問を許さなかった。

 ▼メディアとの戦いといえば、1970年代のウォーターゲート事件を私は現地で取材した。ワシントン・ポストの記者2人がニクソン大統領の選挙戦中の盗聴事件を追及し、ついに辞任に追い込んだ。「来た時同様、私は無一文で故郷に帰る」というニクソン氏の辞任の弁は、米民主主義の健全さとして感慨深かった。

 ▼一方で、政権発足前の支持率は異例の過半数割れ。今後、トランプ政権とメディアの戦いも激烈になる一方だろう。

 ▼二階幹事長ら自民党幹部や経営団体トップが、トランプ氏を明確に批判したのはやや意外だった。この機会に覚悟を決め、一方的依存の対米関係を率直に主張し合う成熟した間柄にするというなら、大いに結構だ。(倫)



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