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「手もみ茶の味」

 白浜町市鹿野の川添茶は生産量こそ少ないが、品質には定評があり、特に手もみ茶は評価が高い。先日、川添緑茶研究会主催の「初もみ茶を楽しむ会」に参加して上手な入れ方を教わり、その風味を存分に味わった。

 ▼最初に出されたのは袋に入った3グラムの茶葉。ちょこのような小さな器に3分の1ぐらいの量だ。そこに冷たい水を浸る程度に注いで5分待つ。水はすっかり茶葉に吸い込まれ、器を傾けたら舌先に数滴がしたたり落ちた。そのとたんに口の中にほろ苦さと甘みが広がった。

 ▼続いて、当日の朝から5時間かけて手もみした荒茶(原料茶)が振る舞われた。茶葉の量は4人で10グラム。湯の温度調節と時間は厳密だ。急須に50度まで冷ました湯を100cc注ぐ。思った以上にぬるい。時計でぴったり100秒計り器に注ぐ。味はまろやかでほのかな渋みがあった。

 ▼2煎目は湯の温度を60度にして60秒待つ。1煎目よりも渋みが増す。3煎目は苦みが出るので甘い菓子とともに楽しむ。いい茶ほど茶葉をたっぷり使い、湯の温度を下げるのがおいしく入れるこつという。

 ▼初もみは三つのグループに分かれて行われた。それを飲み比べると、同じ原料を使っているにもかかわらず、もみ手によって味がずいぶん違うことが分かる。

 ▼茶会の日、別の会合で普段飲み慣れたペットボトルの緑茶が出された。一口飲んだら、何と味気ないことか。手もみ茶の奥深さを知った一日だった。 (長)



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