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「梅と地域経済」

 「梅が香にのっと日の出る山路かな」(芭蕉)。ここ数日、急に暖かくなった影響か、あちこちの梅林で梅が咲き始めた。さすがは温暖な紀南の地である。1週間前には時ならぬ大雪に見舞われたというのに、立春(今年は2月4日)が近づけば、新しい年の先頭を切って花開く。

 ▼梅は花もよいが、香りがまた素晴らしい。「梅はつぼみより香あり」という通り、花が開く前からよい香りが辺りに漂う。南部梅林のいう「一目百万、香り十里」である。

 ▼その南部梅林は28日に開園。同じみなべ町の岩代大梅林と田辺市の紀州石神田辺梅林も2月4日に開園する。いずれも南高梅は咲き始めたばかりだが、例年通り2月10日から15日ごろが見頃になりそうという。そうなると「梅白し山浮かびても曇りても」(広瀬直人)という情景が紀南各地で眺められる。

 ▼梅は地域を代表する観光資源でもあるが、栽培農家にとっては、その年の作柄と売れ行き、そして価格が最大の関心事である。近年は不況続きだったが、昨年は少し持ち直したそうだ。さて、今年はどうなるか。

 ▼梅産業はミカンと並ぶ地域の主産業であり、その盛衰がそのまま地域の盛衰に直結する。農薬や肥料などの販売から始まり、飲食店や衣料品店の客足にも響いてくる。製品を運送する業界まで含めると、裾野は想像以上に広い。

 ▼それだけに、今年も地域に幸を呼ぶ梅になってくれますようにと願う気持ちは切実である。 (石)



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