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「渡り鳥」

 冬の使者として紀南に飛来するカモメ類に異変が起きているという。田辺市、みなべ町などへの飛来が減り、串本町で増えているそうだ。

 ▼その背景には、漁港での水揚げ量が減り、おこぼれが少なくなったことが考えられるという。白浜町椿では、定置網漁がなくなったのに合わせたかのように、堤防で羽を休めるカモメの数が減った。

 ▼日本野鳥の会県支部の津村真由美副支部長は「鳥たちの情報伝達力はすごい」と感心する。観察していると、はるばる北の国から飛来し、どこが生活しやすいか、ちゃんと情報を交換しているように見えるという。一方で、見慣れない渡り鳥の群れを見つけると「うれしい半面、繁殖地や越冬地で何かあったのではないか」と心配する。

 ▼渡り鳥は、持って生まれた帰巣本能と世代交代の間にすり込まれた地図情報を基に、ほぼ決まった場所を行き来する。しかし、地球温暖化などの気候変動や熱帯雨林の減少、武力紛争など、さまざまな要因で越冬地や繁殖地、渡りのルートなどの変更を常に迫られているそうだ。

 ▼津村さんによると、昨年12月ごろ、串本町沿岸にオオハムの群れが飛来し、約1カ月間滞在した。オオハムは北ヨーロッパ、シベリアなどで繁殖し、冬鳥として九州以北の沿岸に飛来するが、県内はこれまで越冬地ではなかった。

 ▼愛らしい姿や動きに引かれるだけでなく、鳥たちが教えてくれるこうした変化にも、感度を高めたい。 (沖)



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