AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「田辺の地質遺産」

 日曜の午後、田辺市で開かれた田辺ジオパーク研究会の講演を聴講した。田辺の地質遺産について、基礎知識を学ぼうという目的である。

 ▼講師は南紀熊野ジオパーク推進協の学術専門委員、中屋志津男さん。用意された資料を基に、紀伊半島南部の地質・地形の成り立ちを丁寧に説明していただいたが、地質学用語はなじみが薄い。四万十付加体とか前弧海盆堆積体とかいわれても、即座に理解できない。

 ▼それでも、田辺市域に貴重な地質遺産がいくつもあることはよく分かった。天神崎の浸食地形、野中の活断層、龍神村を流れる日高川の曲流、湯の峰温泉や川湯温泉が噴出する本宮町の弧状岩脈。市街地に近い奇絶峡やひき岩の成り立ちについてもよく理解できた。

 ▼いずれも貴重な学術資源であり、観光資源である。何百万年、何千万年という時間をかけて形成されてきた紀伊半島に、なぜ豊かな温泉資源が多いのかという理由もよく分かった。

 ▼納得できないのは、貴重な地質遺産のある田辺市が南紀熊野ジオパーク推進運動の輪に加わっていないことである。この件については、市長と知事にそれぞれ「互いに協力して進めればどうか」と問題を投げ掛けたことがあるが、いまだに双方の足並みはそろわない。困った話である。

 ▼過去の行き違いが尾を引いているというが、それは小さなこと。ここは双方が「小異を捨てて大同につく」という考えで進めていく場面ではないか。 (石)



更新)