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「冒険小説協会の同窓会」

 先週末、大阪で冒険小説を偏愛する10人ほどの仲間が集まった。いまは亡き内藤陳さんを会長に仰いだ日本冒険小説協会関西支部の面々である。

 時代は1980年代半ばから90年代半ば。大学生もいれば会社員もいた。高級官僚の卵も看護師もいた。月に1度「シャーロック・ホームズ」という店に集まり、コーヒー一杯で延々と小説談義を続けていた。

 当時、圧倒的に支持されていたのがギャビン・ライアルの「深夜プラス1」やジャック・ヒギンスの「鷲は舞い降りた」。僕はディック・フランシスの「大穴」や「興奮」、ロバート・B・パーカーの「約束の地」や「初秋」が大のお気に入りだった。

 読書好きが高じて朝日新聞で「未読・乱読・お買い得」というコラムを担当、これは面白いと思った本を毎週紹介した。デビュー当時から高村薫に注目。どの新聞、雑誌よりも早く「マークスの山」を「これで今年の直木賞は決まり」と紹介したのも懐かしい。

 そんな時代を共有した面々は全員、30年近くたっても、本から離れていなかった。高級官僚の卵は作家となって大藪春彦賞を受賞。フリーライターとなった大学生は小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞している。部屋中に本があふれているのに新刊を買わずにいられない、と嘆く人もいた。

 本があったから人生が豊かになったという人ばかりの集まりで、あらためて読むこと、書くことの大切さを確認させられた。(石)



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