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「ぶらり古道歩き」

 ラジオの解説を聞きながら熊野古道を歩くイベントに参加し、世界遺産に追加登録された田辺市の長尾坂・潮見峠越を歩いた。登録後間もないことから参加希望者が多く、受け付け開始からわずか2日で70人の定員がいっぱいになったという。

 ▼当日は好天に恵まれて絶好のウオーク日和。長尾坂がある長野地区は梅酒に使われる古城(ごじろ)梅発祥の地。地区内には記念碑が建立されている。古道の周辺でも、参加者を出迎えるように梅の花が咲き誇っていた。

 ▼道は石畳から舗装路に変わり、さらに上り坂が続く。江戸時代の関所跡を右手に見ながら歩き続けると、ひるね茶屋に到着する。田辺湾を一望する見晴らしのいい場所だ。かつて熊野詣での旅人が昼食を取った後つい昼寝をしてしまった、という逸話に納得する。

 ▼このコースは交通手段の確保が難しい。今回のイベントがすぐ定員に達したのも、バスの送迎があったことが理由の一つだろう。田辺市は新年度、週末にJR紀伊田辺駅と長尾坂をつなぐ観光専用バスの運行を支援するというからありがたい。

 ▼イベントの10日ほど前、写真撮影でこの茶屋に寄った際、年配のご夫婦に出会った。聞くと、天気が良かったので思い立って歩きに来たのだという。このコースは何度も歩いているそうで、潮見峠を越えた後の厳しい下り坂のことなどで会話が弾んだ。

 ▼夫婦でぶらりと古道を歩く。そんな姿が輝いて見えた。(長)


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