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「山が宝になる予感」

 意外に知られていないが、日本は世界でも有数の森林資源に恵まれた国である。国土の約3分の2を山林が占め、利用可能な樹木が年々成長を続けている。とりわけ「木の国」和歌山県は山林の占める割合が高く、田辺市では9割近い。

 ▼だが、木材価格の低迷が続き、林業が斜陽産業といわれて久しい。従事する人は減り続け、それが山村の過疎化を促進し、バランスの取れた国土の発展を阻害している。近年はその大気浄化機能や国土保全機能が注目され、バイオマス発電などに目が向けられているが、それでも現状を突破するまでには至らない。

 ▼しかし、19日付朝日新聞によると、木材から新素材「セルロースナノファイバー」を抽出して利用する研究が進み、日本が最先端を走っているそうだ。すでに紙おむつや強化プラスチック、電子部品などに使われ、いまは自動車の内装やタイヤ、建築資材、家電などに使うプロジェクトが進んでいるという。

 ▼研究が本格化してわずか10年余り。しかし、東京大、京都大、大阪大などが競うように研究を進めた結果、約50年で再利用が可能となり、燃やして処分することができる樹木由来の新素材の未来が次々に開けている。やがては「木の国」の森林資源が埋蔵量に限りのある石油資源に代わることも可能になると思わせる話である。

 ▼痛快ではないか。こういう研究の最前線で頑張っている人たちに思いきり拍手を送りたい気分である。 (石)



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