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「学力は読み書きから」

 10年近く前、出前授業が縁で懇意になった小学校の先生がいる。彼女が担任する複式学級の5、6年生の読み書き能力が高く、理解力の素晴らしさに感嘆した。

 ▼指導の秘密を聞くと「特別のことはありません。あえていえば、3行日記の効果でしょうか」といって、子どもたちとの「連絡帳」を見せてくださった。そこには子どもたちが毎日の喜怒哀楽を3行につづり、それに先生が感想を書き込んでいた。

 ▼たかが3行の文章だが、毎日、読み手に伝わるように仕上げるには手間がかかる。それでも、書くたびに感想が返ってくるのが励みになって書き続ける。その積み重ねが文章力を養い、理解力を育てる。だから転任先でも、教え子が何人も全国規模の読書コンクールで入賞するなど、素晴らしい成果を挙げてこられたのだろう。

 ▼この先生のことを思い出したのは、県教委が新年度から特別の学力テスト対策を立てると聞いたからだ。授業改善用DVDの作成、問題集の活用、学校図書館やパソコンを利用した調べ学習などを考えているそうだ。

 ▼しかし、共通の問題集や指導用DVDを作っても、それが子どもたちの学びの意欲につながらなければ意味がない。それよりも、先生が一人一人に向き合い、親身になって見守り、導くことの方が大切ではないか。

 ▼読み書きの能力は、子どもたちの自発的な学習によって身に付く。それを支えるのが、気持ちのこもった励ましである。 (石)



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