AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「記者の魂」

 新聞やテレビはいま、大阪市の学校法人森友学園への国有地売却と、それに関する安倍晋三首相や昭恵夫人を巡る疑惑を大きく報じている。

 ▼籠池泰典理事長は先週の証人喚問で、昭恵夫人から100万円の寄付を手渡されたと証言。夫人付政府職員が籠池氏側とやりとりしたファクスが公表され、夫人と籠池氏夫人との親密な関係をうかがわせるメールも浮上した。

 ▼洪水のような報道の中で、扱いは小さいが、胸に突き刺さる記事があった。24日付朝日新聞2面の「視点」である。吉村治彦記者が次のように書いている。

 ▼「この問題を報じたきっかけは、近畿財務局が原則公表の売却価格を非公表にしたことだった」「財務省のホームページにある売却一覧で、1件だけ価格が空欄になっていた」「理由を財務省に取材しても『学園側の強い要望』を理由に答えず、情報公開請求にも不開示とした」。

 ▼それを不審に思った記者が周辺取材を重ね、籠池氏に取材し、価格が周辺国有地の価格より大幅に安いことを突き止めて報じた。記者とは別に地元市議も、情報公開請求を不開示にしたことを不当として提訴している。

 ▼たった一件の、価格を非公表にした「蟻の一穴」を見逃さず、そこから真相解明に迫る記者。現場を踏んで書いた人間ならではの説得力ある文章。同じ新聞記者として、魂を揺さぶられた。そして、この記事を記者の名刺を持つすべての人に読んでほしいと思った。(石)



更新)