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「政治家今昔」

 政界に「三角大福中」という時代があった。1970年代、自民党が盤石の体制で政権を担っていたころである。有力な派閥を率いる三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の名前からこう呼ばれるようになり、それが定着していた。

 ▼小さな派閥だったが生粋の党人派として存在感を発揮した三木氏、自らの才覚でのし上がり、今太閤ともてはやされた田中氏、語り口は不明瞭だが、それを文章に書き起こすと理路整然として説得力のあった大平氏、大蔵官僚出身で恐ろしく頭が切れ、国債導入に力を尽くした福田氏。中曽根氏は長く少数派の悲哀を味わったが、それをバネに長期政権を担った。

 ▼彼らは時に対立し、政争を巻き起こしながら、この国が世界の大国に仲間入りする道筋を開いた。狂乱物価や国土の乱開発など功罪は相半ばするが、こうした個性豊かなリーダーたちの議論を重んじ、折り合いを付ける度量があって、日本が平和国家として発展してきたことは事実である。

 ▼さて、現在の政府、自民党はどうか。共謀罪の審議の在り方、加計学園の獣医学部新設問題や森友学園への国有地払い下げ問題。疑惑に正面から向き合わず、まともな調査もしないような対応は、三角大福中の時代には考えられなかったことである。

 ▼これでいいのか。いいはずがない。有権者としては、今回の事態をずっと記憶し、次に生かすことだ。政治を動かすのは私たちである。 (石)



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