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「新米と梅干し」

 実りの秋を迎えて地元で採れた新米にありついた。当地の米は収穫量こそ少ないが、全国の銘柄米に引けを取らずおいしいと思う。

 ▼茶わんによそった炊きたての米は、つやつやと輝いていた。おかずもなしに口に運んでその甘みを味わう。風味を添えるごま塩との相性もいい。妻が「熱い、熱い」と言いながら作った梅干し入りのおにぎりも1個味見した。今年の米はもちもちした粘りが特に強く、冷めてもおいしく食べられた。

 ▼近所での収穫風景は例年と少しだけ違った。稲がたわわに実った田んぼには、イノシシが入り込まないようにものものしい鉄の柵が張り巡らされていた。泥浴びをするのだろうか、田んぼで転げ回って米を台無しにするのを防ぐためという。ひとたび入り込むと何度も出没するというから始末が悪い。

 ▼苦労して収穫された新米は小分けし、遠方の親戚や子どもにも送る。ところが東京で暮らす娘からは「糖質を控えているので遠慮する」という返事があったそうだ。おいしい新米はつい食べ過ぎるのでダイエットの邪魔になるという。

 ▼そうでなくても米の1人当たりの消費量は減っている。1962年度の118キロをピークに、2014年度には半分の55キロまで落ち込んだという。しかし新米のおにぎりは格別の味だった。

 ▼みなべ町が「梅干しでおにぎり条例」を制定して3年。素材の良さが生きるこの組み合わせをもっとアピールしたい。 (長)



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