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「里山エリアの拡大」

 近年、野生動物と遭遇する機会が多い。神戸の六甲山では何度もイノシシと出合った経験があるし、兵庫県・鉢伏高原の民宿近くで、道路を横切る大きなクマを見たこともある。

 ▼すさみ町の世界遺産・長井坂の一部がイノシシに掘り返され、畑のようになっているのも見た。1年ほど前の朝、田辺から車で高野山に向かう途中、龍神温泉の近くでカモシカも見た。

 ▼野生動物と人間の領域が重なっていることを懸念していたとき、本紙「声」欄に、里山の奥山化を嘆き、里山エリアの拡大を主張する投書が掲載された。投書の主は田辺市中辺路町の田中淑副さん。時には一緒にお茶を飲む友人である。

 ▼早速電話すると、互いに共鳴することばかり。荒廃した水田を再生、棚田を復活させて人間の生活領域を広げる。それが野生動物を奥山に戻すことにつながる。現状の荒廃ぶりを見れば夢のような話だが、だからこそ取り組む価値があるという点で意見が一致した。

 ▼さらには、住民が自発的に地域づくりを推進している田辺市上秋津や中辺路町近露をモデルに、もっと地域に人の姿が見えるようにすればどうか。そのために官と民が協力してアイデアを練り、資金を投入すればどうか、と話し合った。

 ▼まずは成功事例を作る。次はそれを各地に広げる。いまは夢物語かもしれないが、自発的な取り組みの芽は生まれている。それに水や肥料をやるのが国や自治体の責任ではないか。 (石)



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