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「食料自給率が語ること」

 興味深いデータがある。都道府県別の食料自給率である。農林水産省が発表した2016年度の資料によると、日本全体では38%。しかし都道府県別に見ると、驚くような結果が見えてくる。

 ▼北海道の自給率は200%以上。青森、秋田、山形、新潟なども100%以上だが、東京の自給率はわずかに1%。大阪や神奈川は2%である。つまり国内産食料の多くは、北海道や東北などの農業県が支え、人口が集中する大都市圏は一方的にそれに依存しているのだ。

 ▼和歌山県は29%。農業県ではあるが、ミカンや梅などの果樹や花卉(かき)園芸が中心で、稲作地帯が少ないことからカロリーベースでみると、自給率が低くなるそうだ。

 ▼私たちは食料の多くを外国産に頼り、安全度の高い国内産は北海道や東北などの農業地帯に依存している。それを示す数字を見ながら、食料の大半を農業県に頼りながら、消費する側にその意識がどこまであるのだろうかと考えた。

 ▼いま、食料はお金さえ出せばいくらでも買える。しかし、それを当然と考え、産地の努力に対する敬意が失われているのではないか。

 ▼農村の疲弊がいわれて久しいのに、それを支える政策は乏しく、発展を促すための仕組みも整わない。逆に、海外との貿易交渉では常に農業が犠牲にされる。農家の方々と話していると、必ずそんな話になる。

 ▼農業の未来について、本気で語れる政治家が待ち望まれる由縁である。(石)



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