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「幻の教科教室型授業」

 昨秋完成した田辺市新庄小学校の木造校舎は、創意に富んだ構造が魅力的だ。今度できる同市大坊小学校も木造という。

 ▼地域の特性を生かしたこうした校舎や学校づくりを見るにつけ、合併前の龍神村教育委員会と学校統合審議会が導入を検討した教科教室型の学校づくりが思い起こされる。15年ほど前のことだ。

 ▼同村では、長期総合計画に沿って学校統合が検討されていた。2002年当時、村内に中学校は3校。生徒数は4月時点で計165人。それが10年後には99人になると推計され、団体競技のクラブ活動が難しくなる。しかし、単に3中学校を統合するだけでいいのか、という疑問もあり、視察や会合が重ねられた。

 ▼教科教室型の学校では、生徒が毎時間、教科担任の待つ教科教室へ移動して授業を受ける。審議会や教委の関係者から「生徒の自主性を育てたい。移住してでもわが子をその学校に入れたいと思えるような、魅力的な学校づくりをしたい」と熱い声を聞いた。

 ▼村では一足早く3中学校のクラブ活動を統合、南部高校龍神分校と3中学校の連携型中高一貫教育も始まっていた。こうした環境を背景に「地域づくりの観点からの統合」が議論された。しかし、05年に田辺市や周辺町村と合併したこともあり、議論は打ち切りになった。

 ▼いま、龍神村に中学校は1校、生徒は80人。もう一度、当時の議論を進めてもいい時期が来ているのではないだろうか。 (沖)



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