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「カシャンボの里」

 昔から怪獣、妖怪の類に心引かれる。先日帰郷した際にも、出身地の旧東富田村(白浜町富田)で妖怪が出たという話に興奮した。カシャンボというカッパの類の話で、案内役を買ってくれた元白浜町議、山内恒男さんが冊子『富田坂』で次のように述べている。

 ▼十余年前、谷あいの集落で異様な足跡らしきものを住民が相次いで見つけた。普通の動物とは違い、伝説の妖怪、カシャンボのものではないかと騒ぎになった。それよりずっと前、南方熊楠は火車坊の字を当てて紹介している。

 ▼十余年前の騒動はテレビが取り上げ、全国紙も特集で報道した。学習院大学の探検クラブが来訪し、報告書を出した。地元にも妖怪の里構想が持ち上がった。

 ▼以前スコットランドのネス湖で、ネッシーと呼ばれる恐竜が出没するという世界的な話題があった。私は英政府の招きで日本のネッシー騒動をあおる片棒を担がされた。石原慎太郎氏など大いに興奮し、生け捕ろうと探検隊を組織したほどだ。随分たってガセだったと判明したが、地元はいまだに潤う。

 ▼『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な鳥取県境港市では、作者の名を冠した「水木しげるロード」がまちおこしの起爆剤になった。小泉八雲の怪談の舞台・東京都青梅市では夏「お化け夜市」を開き、お化け一色に。

 ▼科学万能の時代だからこそ、妖怪や怪獣に遊び心がそそられる。その後、カシャンボの消息がないのが少々残念だ。(倫)


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