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「前例踏襲と危機管理」

 最近、組織の危機管理について考えさせられるニュースが続いている。

 ▼例えば、神戸製鋼所の品質検査データの改ざんや日産自動車の無資格従業員による新車の検査問題。ともに品質管理の質に関わる問題で世間の関心は高い。神戸製鋼所はアメリカ政府からも関係書類の提出を求められた。

 ▼一方で、事故を検証する報告書が問題点を浮き彫りにした例もある。今年3月、登山講習会中に雪崩に巻き込まれて県立高校山岳部の生徒ら8人が死亡した事故では、県教委が設けた第三者の検証委員会が最終報告書を公表。講習会を実施した県高体連登山専門部の危機管理意識の欠如を事故の最大要因と指摘した。

 ▼「伝統行事であることから生じる慣れで、安全確保の検討や責任体制の整備が不十分だった」と指摘。県教委についても「低い危機管理意識で実施された講習会を見過ごした」と、その責任に言及した。

 ▼引率教員については「雪崩が起きる危険は認識できた。適切な状況判断に欠けていた」と指摘。講習会責任者についても「無線機や携帯電話を身につけず、事故直後に司令塔の役割を全く果たさなかった」と記した。漫然と前例を踏襲し、予測される危機に備えた対策がなかったというのである。

 ▼トップも現場の責任者も、前任者の仕事を引き継ぐだけ。批判精神も改善の志もないままに一日が終わればよしとする。そうした昨今の風潮に対する、これは警鐘であろう。 (石)



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