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「キツネは減ったか」

 県内でキツネが減っていると林業従事者や農家の知人からよく聞く。そういえば、私も二十数年前に子ギツネを保護した話を取材して以降、キツネの取材は記憶がない。

 ▼県によると生息調査をしていないので、減っているのかどうかは分からないそうだ。海南市の県立自然博物館や古座川町の北海道大学和歌山研究林の関係者は、目撃情報を基に「もっといても不思議でない環境があるのに、驚くほど少ない」という。

 ▼実態はどうなのか。専門家は、田畑の宅地化や駆除で餌のネズミやモグラが減り、キツネも減ったとみる。さらに、キツネのような中型の動物は全国的に増減を繰り返しており、その研究が他の動物に比べて進んでいないため、明確な原因は分からないとする見方もある。

 ▼自然界の動物間の微妙な関係を解き明かすことは難しい。どの頃に比べて増えたのか、減ったのかという問題もある。20〜30年前には、紀南の山間部でウサギを駆除するためにキツネを放ち、そのキツネが里で悪さをして大騒ぎになったことがあった。

 ▼県内ではいま、増え過ぎたニホンジカの駆除に懸命だ。キツネが減ったことと関係するのか、ウサギによる食害も増えている。専門家は「動物は増えたり減ったり、変化することで生態系のバランスを取っている」ともいう。

 ▼野生動物による農林業の被害は深刻で対策が不可欠だが、駆除だけを考えればいいという問題でもないようだ。 (沖)



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