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「ゆとりある教育現場を」

 福井県池田町の中学2年の男子生徒が自殺したニュースに衝撃を受けた。生徒間のいじめではなく、担任や副担任からの厳しい指導や叱責(しっせき)が原因だったという。

 ▼どういう理由があったとしても、命の尊さを説く教員が「死ぬしかない」というところまで生徒を追い詰めていたとは信じられない。しかも、今回の件は担任と副担任という一番身近な指導者2人が関わっていた。

 ▼町教委は「学校の対応に問題があった」と謝罪し、各学校の管理職を集めた緊急の研修会で「子どものささいな変化を見逃さず、情報の共有を徹底してほしい」と伝えたという。

 ▼文部科学省によると、2016年度に全国で自殺した児童生徒は244人に上る。学校という宇宙には、さまざまな家庭環境で育ち、発達状況も異なる子どもが入り交じっている。そのすべてを包み込み、一人一人が元気に育っていく環境をつくるのが理想だが、それを保障する態勢がなかなか整わない。

 ▼教員は教材研究や子どもの生活指導、保護者の対応で忙しい。管理職は教委への報告事項の処理に追われる。中学校や高校では、休日にまでクラブ活動の予定が食い込み、満足に休みが取れない教員もいる。心身を病んで休職する人も少なくない。

 ▼だからこそ、現場に時間的なゆとりと財政的な支援を提供し、教員が十分な指導力を身に付ける研修環境を整備すべきではないか。国や自治体の出番である。 (河)



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