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「ないものをつくれ」

 先週末、和歌山ビッグホエールで開かれた島精機製作所(和歌山市坂田)の創立55周年イベントは新鮮で刺激的だった。

 ▼一つは海外の取引先が数多く参加して国際色が豊かだったこと。会場案内から祝賀パーティーにいたるまで、すべての案内が日本語、英語、中国語の表記。自社商品を展示し、製品の製造過程を見せるデモンストレーションが開かれた別のフロアでも、英語や中国語が当然のように飛び交っていた。

 ▼もう一つは政治家のパーティーや役所関係のお祝い会で延々と続く「来賓あいさつ」に類することが一切なかったこと。今年6月に2代目社長に就任した島三博氏が簡単な謝辞を述べると、即座に最新のテクノロジーを取り入れたファッションショーや京都・先斗町の舞妓(まいこ)さんらによる祇園小唄や舞踊、宝塚歌劇を模したショーが続く。

 ▼さすがは「世の中に、ないものをつくれ。ないからつくれ。そして、なくてはならない会社になれ」を社訓にして革命的な横編み機を開発、世界のトップに躍り出た企業である。祝賀会一つとっても、異次元の発想だと感嘆した。

 ▼規模の大小に関係なく、こういう発想を持った経営者が後に続けば、和歌山の未来も明るい。そう思って周囲を見れば、田辺に本拠を置く農産物直売店や白浜のIT企業など、紀南にもその芽は生まれ、育っている。それらが「地域になくてはならない会社」になる日が待ち遠しい。 (石)



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