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「止まらぬ獣害」

 田辺市で、野生動物による農産物の被害額が年間約4千万円に上るという。

 ▼ミカン畑では、熟した果実を狙ったイノシシがミカンの木を倒し、山間部に出没するサルは、収穫期に入った野菜を片っ端から食い散らす。シカは植林地のスギやヒノキの皮をはいで枯らしてしまう。被害は山間部だけでなく、市街地の畑や果樹園にも及んでいる。

 ▼もちろん、人間の側も対策を立てている。手っ取り早いのは、畑の周辺に張り巡らせるイノシシよけの電気柵。そこに弱い電流を流して近づけないようにする。しかし、3年もすれば相手にも知恵がつく。電流に鼻先を直撃されないように柵に背中を向け、後ろ向きに侵入してくるという。

 ▼この話をしてくれた田辺市上秋津の農家は「市街地はイノシシ、山間部はサルとシカの被害が多い。龍神村の奥地では家の周囲をネットで囲い、午後の4時には家の出入り口のネットも閉じると聞いた。油断していると家の中にまで入り込んでくるからだ」と付け加えた。

 ▼せっかく育てたミカンや農作物が収穫前に台無しにされるのはつらい。有害動物として県などが駆除に努めているが、被害額は県全体で年間約3億3千万円。駆除しても駆除しても追い付かない。

 ▼こうなれば、野生動物対策を地域の産業につなげる仕組みをつくるしかないのではないか。ジビエ料理の普及とか狩猟で生計が立つように補助制度を設けるとか。方策を考えたい。 (石)



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