AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「森林環境税」

 林業が破綻寸前になっている。県の資料でみると、1980年に製材用に出荷された県内産スギの価格は平均4万4800円。それが2016年には1万800円になった。ヒノキは、平均9万3千円から1万2300円になっている。

 ▼わずか36年。ほんの一世代の間にここまで下落した素材は、例がないのではないか。乱暴なたとえだが、親の代には平均10万円近かった給料が子どもの代には同じ仕事をしているのに1万2千円になったと考えれば、その深刻さが理解できるだろう。全国的に林業が衰退し、担い手が減って森林が荒廃しているのも無理はない。

 ▼こうした事態は座視できないと、政府・与党が19年度から年に数百億円を自治体に配分する方針を決めた。財源には、24年度に創設する予定の「森林環境税」を先取りして充てるという。

 ▼これは、森林整備のため、個人住民税を納めている約6千万人を対象に、1人年間千円を上乗せして徴収する目的税だが、まだ創設が決まった訳ではない。その段階でここまで踏み込んだ方針は評価したい。

 ▼しかし一方で、県は07年度から森林整備、保全を目的とした「紀の国森づくり税」を創設。年間個人県民税に1人当たり500円、法人県民税には千円〜4万円を上乗せして徴収している。これに国の税が加わると、税の二重取りになる。

 ▼そこをよくわきまえ、双方が政策を練ってほしい。成果が求められる由縁である。(石)


更新)