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「ミカンの贈り物」

 県外の知人や世話になった人への歳暮は毎年、ミカンと決めている。今年は、10月の台風で木が揺すられて実に傷が付いた上にカメムシの被害も大きく、値段が高いだけでなく品物も少ないそうだ。

 ▼和歌山県は2004年以降13年連続でミカンの収穫量日本一。全国的に有名なのは有田ミカンだが、地元びいきとしては紀南地方のミカンが特にうまいと思う。完熟した実を食べれば程よい酸味と甘みが口の中に広がる。まるでジュースの固まりを食べているような味わいだ。

 ▼ミカン王国の話題としてネットで評判になっているのが「和歌山むき」や「紀州むき」といわれる皮のむき方。実のくぼみに親指を立てて皮ごと二つに割り、さらにもう一度割って四つに分け、それから皮をはがす。教えてもらった時には驚いたが、これがなかなかむきやすい。

 ▼近年は皮を手早くむく方法として関心を集めているが、定着した理由は別のところにありそうだ。皮が薄くて房にぴったり張り付いている和歌山のミカンは、端からめくるようなむき方では皮がちぎれたり房が破れたりする。和歌山むきは、デリケートなミカンを上手にむくための工夫のようだ。皮が厚い産地のミカンしか食べたことのない人には分かりにくい話だろう。

 ▼贈ったミカンの返礼として沖縄のパイナップルや千葉のピーナツ、仙台の笹(ささ)かまぼこなどが届く。心の込もった特産品は、もらう方もうれしい。 (長)



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