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「待たれる再開」

 白浜町の白浜温泉街に昨年の春にオープンした大衆演芸場が休館して半年余りになる。こぢんまりとした舞台で毎夜舞踊ショーが催され、温泉街ににぎわいを添えていた。

 ▼温泉街のホテルで長年大衆演劇の一座を率いてきた片岡千恵子さんが、一家6人の「親子雀寿座」として開設したが、結婚や進学などによって、短期間に座員が減ってしまったことが原因と関係者から聞いた。

 ▼収容人員はわずか30人。舞台と客席の一体感がよかった。大人千円、65歳以上と中学生以下が500円。手頃な料金でもあり、気軽にショーを楽しめる場になっていた。宿泊施設の専属ではなく、温泉街の娯楽施設としての存在にも魅力を感じていただけに、再開を願う人も少なくない。

 ▼昨秋、近所のお年寄りをマイカーに乗せて見に来たという那智勝浦町の知人もその一人。舞踊や芝居が好きな仲間と小旅行気分で白浜を訪れ、温泉や食事も堪能して帰るのが楽しみだったという。

 ▼演芸場の隣に山王大明神と呼ばれる神社がある。昭和初期に地元の住民が建立した。白浜新地の守護神、商売繁盛と芸事の神様を祭り、隆盛を誇った花街の風情を残している。8年前には「地域が活力を取り戻す契機に」ときれいに整備し直された。

 ▼その境内には、夜になるとちょうちんがともされる。隣には演芸場の明かり。双方が相まって温泉街の風情を醸し出していただけに、再開が待ち遠しい。 (沖)



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