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「観光立町と使用済み核燃料」

 観光立国とか観光立町とかいう言葉が近年、流行語のようになっている。広く観光客を呼び込み、それによって地域経済を元気にしようという趣旨で使われる。

 ▼紀南でいえば、白浜町がとりわけ熱心だ。有馬、道後と並んで日本三古湯と呼ばれる白浜温泉、広大な砂浜、三段壁などの景勝地に恵まれ、観光地・白浜の名は天下にとどろいている。

 ▼近年は、パンダの飼育と繁殖で知られるアドベンチャーワールドなど新たな観光資源も評判になり、来訪する観光客は年間300万人を超す。ここ数年、外国から訪れる人も急激に増え、昨年は年間10万人を突破した。

 ▼「観光立町」の代表のようなこの町で、原発から出る使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設の問題が浮上している。14日の町議会で、井澗誠町長が「国や県、事業者(関西電力)から話をしたいということであれば、応じるのは当然のことだと思う」と発言したからだ。

 ▼町長は「このような重要な案件は町民の理解、同意が前提」と断ってはいる。しかし、戦後一貫して観光地として歩んできた町の歴史とこれからの姿を考えたとき、使用済み核燃料の中間貯蔵施設は、町にとって必要な施設なのか。住民の不安が置き去りにされる懸念はないのか。その前に、地域全体に影響が及ぶ重要な案件を白浜町だけで決定できるのか。

 ▼慎重の上にも慎重な姿勢が望まれる。悔いを千載に残すようなことは容認できない。 (石)



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