AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「お達者な人たちの川柳」

 「60歳からの主張」の受賞作品一覧が主催の公益社団法人全国老人福祉施設協議会から届いた。成人の日恒例の「20歳の主張」の向こうを張って、これからの超高齢社会を元気に生きようという熟年諸氏のメッセージである。

 ▼エッセイ・小論文部門と川柳部門があるが、川柳がより面白い。優秀賞は「メタボ腹ミートテックと自賛する」(梶浦公靖さん・70)。流行のヒートテックにかけて出っ張った腹を自虐的に詠んだ。年齢を重ねた人ならではの開き直った気分が軽妙に表現されている。

 ▼特別賞の作品にも噴き出した。「願掛けに『長寿』と書く百五歳」(兵藤努さん・73)「終活を止めて婚活ケアハウス」(小笠原信宏さん・78)。超高齢社会を元気に生き抜くには、これくらいの精神的な若さが必要ということだろう。

 ▼入選作にも高齢者の哀歓が漂う。「百均でジジも爆買い年金日」(島根勝利さん・71)といっている間はご愛敬だが、もう一歩進むと「ダンディーなジーパン脱げば紙パンツ」(中村利之さん・73)、「キレのあるビール飲んでも切れぬ尿」(渡会克男さん・68)。老いが生活のあらゆる場面に現れてくる。

 ▼こうした作品に目を通していると、自らを笑いの対象にし、世間の風潮を斜めから見る目も達者なお年寄りの群像が浮かんでくる。「要介護者」といった言葉からは遠く離れ、精神的にもタフなこの人たちの作品から学ぶことは多いと思った。 (石)


更新)