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「サザンカの歌」

 花が少ないこの時季、ひときわ目を引くのはサザンカ。よく似たツバキの花はぽとりと落ちるが、この花は花びらが一枚ずつ散り、赤いじゅうたんのように地面を彩る。

 ▼寒さに耐えて咲くその花で思い浮かべる歌が「垣根の垣根の曲がり角」で始まる『たき火』。北風が吹く道の先に暖かい火が見える。迷いながらも手をかざしたら、しもやけの指先が温まってかゆくなってきた、という歌だ。いまは垣根も少なくなり、落ち葉を燃やすこともない。

 ▼ところが昭和の初め、この歌に歌われた竹垣は東京・中野にいまもあるそうで、グーグルマップには「たきびのうた発祥の地」という記載も見える。

 ▼昭和50年代のヒット曲『さざんかの宿』は「愛しても愛してもああ他人(ひと)の妻」と切ない。いまなら「不倫の歌」といわれるのだろうか。昨今は、テレビや週刊誌が毎日のように有名人の不倫騒動を大々的に報じているが、その節度のない伝え方にはうんざりする。

 ▼それに対して、開幕が間近に迫った平昌五輪・パラリンピックのNHKのテーマソング『サザンカ』(SEKAI NO OWARI)は爽やかだ。おやっと思うのは、くじけず夢を追い続ける人たちに寄り添う歌詞にサザンカという言葉が全く出てこないこと。

 ▼「困難に打ち勝つ」「ひたむき」というサザンカの花言葉にメッセージを重ねたそうだ。春を待ちながら聴くのにぴったりの応援歌である。(長)


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