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「原爆被爆写真」

 久しぶりにその写真を見て、また目頭が熱くなった。米従軍カメラマンが終戦直後の長崎で撮ったもので、原爆死した弟の遺体を背負って火葬の順番を待つ少年が写っている。

 ▼当時の私とほぼ同じ年齢だろうか。半ズボンにはだしで丸刈り。口をキリッと結び、直立不動の姿勢で立つ姿が痛々しい。ローマ法王フランシスコが最近の南米訪問に向かう機中、同行記者団に見せた。「これを印刷して教会関係者に配りたい。平和を説く千万言に勝る」と。

 ▼昨年のノーベル平和賞は、核兵器廃絶を訴える団体の非政府組織アイキャンに贈られた。フィン事務局長が広島、長崎を訪問した機会に安倍首相に面会を求めたが、断られた。「外交日程上、無理」という。

 ▼首相が気乗りしない背景は分かる。核保有国・米国に安全保障を全面的に依存しながら、核の全廃を訴える組織を応援するのは自己矛盾だ。北朝鮮の核武装問題に対抗するためには、米国依存がさらに強まる。「米国第一」のトランプ大統領なら、そこを遠慮会釈なく突いてくるだろう。

 ▼しかし、米国への気兼ねが事実なら、逆にもっと柔軟であってよいのではないか。オバマ前大統領だって広島を訪問し、慰霊した。韓国も日米と協力して北の核に向き合いながら、平昌五輪では北と協調する。日本が独自に核兵器廃絶に取り組む姿勢は、もっと強調してよい。何よりも私は、写真の少年のその後を知りたい。 (倫)


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