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「寒さの中にも春の兆し」

 ここ数日、紀南地域にも、この冬一番の寒さが襲来している。25日の朝は、すさみ町の海水浴場にも雪が積もった。紀勢道も、周参見や日置周辺はうっすらと雪化粧。普段、ほとんど雪の降らない土地だけに、人々を驚かせた。

 ▼南紀白浜では、24日の最低気温が氷点下1・1度、最高気温は3・9度。25日朝も氷点下1度。高野山では25日の朝に同8・5度を観測した。気象予報士の「厳し過ぎる寒さ」という言葉に、思わず納得する。

 ▼しかしながら、ここは南国・和歌山。黒潮洗う紀南である。外気は冷たくても、日が差せば抜けるような青空が広がる。日照時間が日に日に延びているせいだろう。降り注ぐ光にも勢いがある。

 ▼田辺の市街地を歩けば、あちこちに黄色いスイセンが咲いている。植え込みでは赤いツバキも咲き始めた。背後を彩る常緑の葉っぱも照り映えている。それぞれ厳冬期に咲く花ならでは凛(りん)としたたたずまいである。

 ▼新庄総合公園まで足を延ばせば、係の人たちが丹精込めて育てた菜の花が満開。春を告げるレンギョウの花も咲き始めている。そうした営みを見るたび、寒さに縮こまった背筋が伸びる気がする。

 ▼暦の上では大寒。一年で一番寒い季節である。しかし、2月4日の立春を過ぎると、季節はゆっくり春に向かう。それを先取りするような光に励まされ、花に元気づけられる。

 ▼四季の彩りが鮮明な国だからこそ味わえる快楽である。 (石)


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