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「稼いだお金は応援に」

 作家の三浦しをんさんが日本銀行の広報誌に寄せたエッセーで「稼いだお金をなにに使うかに品性が表れる」と書いている。こんな内容である。

 ▼「蓄財とかマンション購入とかにあてるのではなく、稼いだはしから応援にまわす」「自分以外のだれかのため、誰かへの愛を表明するため、金を稼ぎ、使う」「私はそれを、非常に崇高であると同時に、自身の欲望にある意味で正直な、まっとうな行いだなと感じる」。

 ▼『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、『舟を編む』で本屋大賞を受賞した人気作家ならではの太っ腹な発言であり、潔い金銭哲学である。新聞広告の「バーゲンセール」とか「日替わりサービス」とかの文字に、即座に反応してしまうような僕とは「月とスッポン」ほどの違いがある。

 ▼しかし、太っ腹な人は三浦さんだけではない。紀南にも数多い。ここ数日の本紙を見ても、その一端がうかがえる。「古座小にスクールバス」「寄付で購入」という記事があれば「太陽光発電の収益寄付」「天神崎の自然を大切にする会に」という記事もある。前者は地元出身者からの600万円、後者は一般社団法人からの30万円の寄付。金額に違いはあるが、しをんさんの言葉を借りれば、それぞれ稼いだお金をふるさとへの「応援」、自然保護への「愛の表明」に使う人間でありたいという気持ちの表れだろう。

 ▼こういう人が増えれば、この世も住みやすくなるはずだ。 (石)


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