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「報道写真展」

 日本新聞博物館(横浜市)で開かれている2017年報道写真展を観覧した。東京写真記者協会に加盟する33社の記者が昨年1年間に撮影した報道写真約300点を展示している。

 ▼協会賞グランプリに選ばれたのは東京新聞の記者が撮影した「沖縄の視線」。沖縄全戦没者追悼式で献花に向かう安倍首相を見詰める翁長知事や出席者。カメラのピントは献花の主役である首相ではなく、後ろの出席者に合わせられている。その表情はこわばり、視線は鋭い。沖縄の人たちの思いが1枚の写真に凝縮されている。

 ▼月別に展示されていた写真の中から目を引いた何点かを挙げてみよう。1月は米国の大統領就任式で宣誓するトランプ氏。就任1年を経ても、その言動から目が離せない。3月には東日本大震災関連の写真が並ぶ。「明かりがともる新たな町」(共同通信)というシリーズは復興への歩みに焦点を当て「浪江町 帰還困難区域の今」(産経新聞)は震災が終わっていない現実を追う。

 ▼スポーツでは、陸上の男子100メートルで日本人初の9秒台を記録した桐生選手の笑顔がすがすがしい。愛らしい動物写真の代表は上野動物園の赤ちゃんパンダ「シャンシャン」(時事通信)。パンダなら白浜にもたくさんいるのに、とねたましかった。

 ▼時代の一瞬が記者の目を通して固定され、確かな記録として将来に伝えられる。そんな報道写真の力をあらためて実感した。(長)

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