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「昭和レトロのガイド」

 文筆家・甲斐みのりさんが執筆・監修した田辺市発行の女性向け無料ガイドブック「朝・昼・夕・夜 田辺めぐり」を読んだ。

 ▼巻頭の「田辺の朝」に登場するのは昭和の時代から続くレトロな喫茶店の数々。田辺はもともと喫茶店の多い街だったが、そのたたずまいをそのままに営業している店が多いことにあらためて気付かされる。

 ▼都会では、レジカウンターで飲み物を注文する味気ないチェーン店が増え、コーヒーの香りを楽しみながらゆったり過ごせる場所が少なくなった。たまにそういった店を見つけても、1杯のコーヒーが驚くほど高かったりするが、田辺では昔ながらの手頃な料金でくつろげる店がある。

 ▼自治体や公的な団体が発刊するガイドブックは、面白い所もそうでない所も均等に扱う「平等主義」に陥りがちだ。ところが4年前、田辺観光協会が発刊した「暮らすように旅する田辺」を甲斐さんが担当した際には、協会が取り上げる内容を彼女に一任。それが新鮮で評価を得た。今回も甲斐さんが興味を持ったものが丁寧な取材で紹介されている。

 ▼市のたなべ営業室によると反響は大きく、連日問い合わせや発送依頼が舞い込んでいるという。その8割から9割が女性というから狙いは当たったのだろう。

 ▼昭和世代の男性が読んでも懐かしさを覚えるその内容は、女性のものだけにしておくのはもったいない。田辺の魅力を再認識するきっかけにしたい。 (長)



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