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「深刻な人手不足」

 田辺市が4月1日に採用する事務職員を追加募集したら152人の申し込みがあり、試験の結果、8人が合格した。通常、採用試験は前年の秋に済ませるが、本年度は15人の募集に対して合格者が10人しかなく、異例の追加募集を実施した。

 ▼公務員志望者が減っているのは全国的な傾向という。総務省によると全国の都道府県、市町村が16年度に実施した採用試験の競争倍率は平均6・5倍。記録が残っている1994年度以降では最低だった。民間の採用が活発になっていることが理由で、合格後の辞退も大卒では3割以上あるという。

 ▼地方では安定した職種と見られている公務員ですらこうだから、民間企業の状況は一段と深刻だ。飲食業やサービス業、介護の現場などでは慢性的な人手不足が続き「募集しても応募がない」「会社は黒字なのに人材不足で積極的な事業展開ができない」「後継者がいない」という声を多く聞く。

 ▼それどころか、昨今は「人手不足倒産」という言葉も耳にするようになった。東京商工リサーチによると、人手不足関連倒産は昨年、全国で317件あった。倒産理由のうち、後継者難と人件費高騰型は前年比で減少したが、求人難による倒産は前年の17件から35件へと倍増したという。

 ▼紀南地方では、少子高齢化による働き手の減少と若者の流出が止まらない。景気回復の実感が乏しいまま続く人手不足に有効な手だてがないのがつらい。 (長)


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