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「地名は警告する」

 最近、夜半に何度か地震が起きている。揺れは小さいが、それでもどきっとする。1995年1月に体験した阪神大震災の記憶がよみがえる。

 ▼そんな夜は、寝床で本を読んで気持ちを落ち着かせる。しかし先日、久しぶりに手に取った『地名は警告する』(冨山房インターナショナル)は、逆に眠れなくなってしまった。

 ▼この本は「日本の災害と地名」という副題が示す通り北海道から沖縄まで各地に残る地名と災害との関連について、各地の地理や歴史に詳しい研究者が分担して執筆。日本地名研究所の谷川健一所長が編集している。

 ▼紀伊半島に関しては熊野市文化財専門委員の三石学さんと向井弘晏さん、海の熊野地名研究会会長、田中弘倫さん、田辺市在住の地理学者、桑原康宏さんが担当。災害の記憶を伝える石碑を訪ね、2011年9月の紀伊半島大水害の被災地を調査して、災害に見舞われやすい地名について詳細に報告している。

 ▼例えば、日足は水が浸りやすい所、九重はくえる(崩壊する)所、萩は大地が剥ぎ取られる所といった具合だ。その地名が近年、次々と消えつつあることに警鐘を鳴らし、災害の歴史は500年、千年単位で継承してこそ、意味があると指摘している。

 ▼この成果を防災に生かしたい。県や県教委が学校の教材、あるいは防災教材として再編集し、全戸に配布してはどうか。災害から命を守るために、あらゆる手段を尽くそうではないか。(石)

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