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「働き方改革と賃金」

 アルプス電気という会社がある。電子部品の大手メーカーで、最新の決算では、年間売上げが8583億円、経常利益は667億円にもなる。

 ▼この会社がいま、業種を超えた経営者や従業員から注目されている。働き方改革で減った残業代の一部を賞与に上乗せする形で社員に還元すると発表したからだ。この夏の賞与から実施するそうだ。

 ▼同社は働き方改革で労働時間の短縮に努めた結果、昨年下期の社員1人当たりの残業時間が減り、残業代も減った。その減収分の3分の1に相当する額を今夏から賞与にプラスして支給するそうだ。従業員の協力で手にした節約分は従業員に還元しようという発想である。大事な考え方である。

 ▼働き方改革関連法案がいま、国会で審議されている。政府も与党も改革だ、労働時間の短縮だと掛け声は大きいが、それが残業代の削減となり、多くの従業員の減収につながることの問題点にはあまり触れられていない。

 ▼しかし残業代は、働く人にとって生活給の一部である。自分たちが効率よく働けば働くほど減収になるというのでは、協力する気もうせるのではないか。その問題に一石を投じたのがアルプス電気である。

 ▼働く時は効率よく働き、その分の報酬は確実に支払う。その姿を明確にしてこそ、労使ともに納得し、仕事の効率も上がる。そこに焦点を当てたのが今回の還元策だ。これがより多くの企業に広がることを期待したい。 (石)


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