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「災害への備え」

 徳島県から紀伊水道を抜けて大阪湾を北上した台風21号は、各地に大きな被害をもたらした。記録的な強風に加えて沿岸部では高潮が襲来、けが人や建物被害などが相次いだ▼田辺市や白浜、みなべ、上富田町などでは4日午後から広い範囲で停電が続き、復旧が翌日以降に持ち越された地域もある。県内では20万戸以上、関西電力管内では約170万戸が停電したという。倒木や路肩の崩落で国道や県道もあちこちで通行止めとなった▼そうした事態に直面して人間の無力を思い知り、同時に災害への備えの大切さを思った。紀伊半島南部では近い将来、大地震や津波の発生が予測されている。それにどう備えるのか。どんな注意が必要なのか。それを問い掛けられた気がする▼阪神大震災で被災した体験からいえば、最低1週間は食いつなげる水と食料を確保しておく。飲料水とは別に、トイレなどに使用する水もポリ容器に入れて準備しておかなければならない。カセットコンロと専用のガス、懐中電灯も必需品だ。非常時に避難する場所の点検、安否の連絡先と連絡方法の確認も求められる▼こうしたことは訓練だけでは身に付かない。実際にその一端を体験することが何よりの学習になる。今回の被害は大きかったが、その訓練の機会になったと考えれば、多少とも慰められるだろう▼「災害は忘れたころにやってくる」という寺田寅彦の言葉は、今も生きている。(石)


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