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「非常時の新聞発行」

 先週初めの台風21号の影響で、田辺市内でも停電が相次いだ。けれども、紀伊民報は何とか予定通りに新聞を発行し、配達もできた▼それが不思議だったのか、市内の読者から「停電の影響はなかったのか」「どうして普段通りに発行できたのか」といった質問が何件も届いた。実際、本社のある秋津町では瞬間停電が何度も発生し、通常通り輪転機を動かすことは難しかった▼そこで、非常時用に備えた自家発電設備を起動し、自前の電力で印刷を終えた。何度か試運転は続けてきたが、実際に自家発電で3万数千部の新聞を普段通りに刷り上げたのは初めてである▼幸い発電設備も輪転機も何の問題もなく稼働し、燃料消費量も当初見込みより少なかった。万一、大災害が起きても、1週間ぐらいは新聞を発行し続けるめども立った▼台風といえば、紀伊民報には苦い経験がある。1998年9月、台風7号が紀南に上陸したときのことだ。停電で夜間まで新聞が印刷できず、配達が遅れて読者に大変な迷惑をおかけした▼その後、東日本大震災や紀伊半島大水害が相次いだこともあり、2013年の春、輪転機を作動させるだけの出力を保証する発電設備を導入。それが初めて実戦で役立ったのだ▼大災害は起きないことが望ましい。けれども、いざという時にも自前で新聞を発行できる準備はしておきたい。その願いを込めた設備が順調に稼働し、胸をなで下ろした。(石)


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