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「好奇心と不思議に思う心」

 2018年のノーベル医学生理学賞を京都大の本庶佑特別教授(76)が受賞した。受賞理由は「免疫反応のブレーキを解除することによるがん治療法の発見」。その発見に基づくがんの治療法が「著しく効果的だと示された」と評価された▼氏の発見はいま、免疫治療薬「オプジーボ」として実用化され、数多くの患者を救っている。その業績を、12年に同じノーベル賞を受賞している京都大教授、山中伸弥さんが朝日新聞の電話対談で「何十年という着実な基礎研究の積み重ねが花開いた。感染症の時のペニシリンに匹敵する」と評している▼僕には本庶氏の研究内容を読み解く能力はないが、発言はよく理解できる。例えば受賞後の記者会見でのこんな言葉である▼「私を支えたのは知りたいという好奇心。でも(有名学術誌に掲載された論文の)9割はうそ。10年たったら、残っているのは1割と思っている」といい「論文とかに書いてあることは信じない。自分の目で確信できるまでやる」▼研究者の道に進むことを夢見ている子どもたちには「大事なのは知りたいと思うこと。不思議だな、と思う心を大切に、本当はどうなっているのだろうと考えてほしい」といっている▼氏はそうした考えから、基礎研究を進める後進育成の基金をノーベル賞の賞金やがん治療薬の特許使用料などを投じて創設したいと表明した。基礎研究の大切さを知る人ならではの決断である。(石)

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