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「過疎地と子育て」

 久しぶりに熊野古道・北郡越えを歩いた。田辺市鮎川の住吉神社から中辺路町北郡を抜け、清姫淵までを往復するコース。富田川の清流に沿って歩く道は歩きやすい。途中には素朴な道祖神や石仏があり、そこに手を合わせるだけで気持ちが安らぐ▼帰り道、北郡の集落で菜園の手入れをされていた農家の人と顔を合わせ、しばらく立ち話をした。話題は地域の過疎化。「以前、この地区には13ヘクタールの水田があった。しかし、高齢化で耕作が続けられなくなり、水田はいま、地区全体で50アール。この田んぼも、もう耕作できなくなった」。農家のおじさんはそういって、目の前の広い田んぼを指さす▼切ない話である。先祖伝来の田畑が荒れ、それを継ぐべき人は地域から出て行く。子どもの数は激減し、地域の活気が失われる。10年後、20年後の地域の姿は語りたくても語れない状況だという▼紀南の山間部はいま、ほとんどの集落が似たような状況に置かれている。これにどう対応するのか▼僕は子育て、教育への投資が最優先だと考える。目先の損得は一切考えず、最優先で未来を担う子どもとその保護者への投資を図るのである。地方創生とは人づくり。そのために全力を挙げようではないか▼水と空気と豊かな日の光に恵まれた土地で、安心して子育てに励む。そこから逆算して各種の施策を進める。そうした努力を国を挙げて推進する、いまが最後の機会かもしれない。(石)


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