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「神になる人間」

 世はIT(情報技術)時代。私はパソコンを何とかいじりながら、その難しい時代を生き延びている。先日近所の病院で定期検診を受けたが、結果はすぐに出た。医師は数値を見ながら説明するだけで誰が判断しても同じという▼いま話題の『ホモ・デウス』(河出書房)という分厚い上下巻を読み終えた。著者は高名なイスラエルの人類学者ユバル・ハラリ氏。題名は「神になる人間」の意味だという。高名な評者が「読破にはいささかの体力と知力が要る」というほどだから、両者に欠ける私には荷が重かった▼先進国はこれまで、飢えと流行病と戦争という三大災厄をほぼ克服した。その人類はいま、コンピューターによる生命工学や人工知能の時代に突入している。医学をはじめ膨大な個人情報が蓄積され、解決への手順を踏めば、誰にも答えが容易に出せる時代に入りつつある▼残された難問の「不死への挑戦」も視野に入り、米国では解決を目指す会社も生まれた。そのうち500歳を目標にという専門家もいるらしい。そこで本書は「人類は神の領域に入りつつある」という。その道程で「今後20年間に米国でも半分の職業が自動化で消える」という予想もある▼「日本の中・高生の多くは中学校の教科書も正確に理解できない。多くの仕事が人工知能に代替される将来、読解力のない人間は失業するしかない」という数学者、新井紀子さんの警告も不気味だ。(倫)


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