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「森と水の写真展」

 水に関わる生き物と環境を撮影している写真家、内山りゅうさんの写真展「熊野の森と水」が田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で開かれている▼水中から撮った地上の風景は新鮮だ。水のフィルターを通して見えるピンクの桜は、今年新種に登録されたクマノザクラ。魚はいつもこのような景色を見ているのだろうかと想像した。熊野川の支流、赤木川の静閑瀞はその名の通り水の流れが緩やかだ。木々の緑が水面に映え、まるで川の中に森が広がっているように見える▼古座川の滝の拝では、激流の中で力強く泳ぐアユを捉えた。押し流されないように20キロ以上の重りを着けて深さ3メートルの川底に潜った。そのままでは自力で浮上できないので、浅瀬まで移動して川岸に上がったという。もしトラブルがあれば沈んだままになるという命懸けの撮影だ▼魚や両生類、昆虫、樹木や草花の写真も108点並ぶ。カスミサンショウウオの幼生はペットとして人気のウーパールーパーに似て愛らしく、熊野の森を代表するイチイガシは黒くごつごつした幹がたくましい▼内山さんは19年前、紀伊半島南部の水の美しさに引かれて東京から白浜町に転居した。数々の作品は、地元では当たり前と思われている川がとても価値あるものと気付かせてくれる▼熊野の水の美しさや多様な生物について内山さんが語る「ギャラリートーク」は22日午後1時半から。写真展は来年1月27日まで。(長)


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