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「未来に向けた森づくり」

 新年早々、田辺市に大きなニュースが伝えられた。国が来年度から導入する森林環境譲与税が向こう3年間、毎年1億円余り配分されることになったというのである▼県の試算では、県への年間配分額は約9600万円。県内市町村へは約3億8千万円。全体の配分額は4年後に1・5倍になる見通しだという。真砂充敏市長が「50年に1度の大変革」と期待するのもよく分かる▼1991年、森林環境税構想を全国に先駆けて提唱したのは当時の本宮町長、中山喜弘さん。森林の荒廃と木材価格の低下に頭を痛めていた各地の自治体トップがそれに賛同し、大きな運動になった▼当時、朝日新聞の記者だった僕は中山さんに取材してその主張を聞き、材木の生産だけでなく、大気の浄化、水の供給、国土保全などの公益的機能に注目し、それを健全に維持するためには森林の恩恵を受けるすべての人が負担を分かち合うべきだと力説される姿に感動した。その後、論説委員になってからもこの主張を軸に社説などを書いた▼本宮町から生まれた運動が巡り巡って田辺市の緑を守る財源となる。痛快な話である。しかし、その財源は森林環境保全のために有効に使う義務がある。全国に先駆けた自治体として、その模範となる森林管理政策を打ち出し、豊かな森林を育成しなければならない▼「最も美しい森林は、最も収量の高い森林である」ことを実現する政策を求めたい。(石)


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