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県民の平均歩数減少 歩くことを生活習慣に

 県民の1日平均歩数が年々減少し、全国的にも低いレベルで推移している。健康づくりを考えれば見過ごすことはできない。

 県が5年ごとに公表している「県民健康・栄養調査」によると、昨年の県民20歳以上の1日平均歩数は男性が6008歩、女性は5346歩。5年前に比べ男性は千歩、女性は約1700歩近くも減っている。全国調査を基にした直近(2012年度)の都道府県別順位では、男性が46位、女性は38位である。

 健康維持、増進という観点でいえば、これだけでも大変だが、その減り方が著しい点により問題がある。なんせ15年前に比べ、男女とも4分の1も減っているのだ。

 紀南に住む私たちの生活を振り返ると、思い当たる節は多い。通勤や買い物の移動手段は自動車やバイク。近距離の目的地にも車で横付けする。一方、都会では電車やバスなど公共交通機関が中心で、必然的に駅や停留所までの歩く距離が生活に組み込まれている。

 健康づくりや生活習慣病の予防には、適度な運動、歩行が欠かせない。そうした観点から県は「とにかく歩くことを奨励したい。1日8千歩を目標に歩いてもらうよう呼び掛ける」と話す。

 まずは、10月から県民総参加で健康づくりを進める新規事業を開始する。ラジオ体操や清掃活動、ウオーキングなどにポイントを与え、合計点の高い自治会や個人を表彰するという。

 目標にするのは「1日8千歩運動」。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都)の青柳幸利博士推奨のウオーキング法。毎日、合計8千歩を歩き、そのうち速いペースで20分間を歩けば、高血圧や糖尿病などの予防が期待できるという。

 群馬県中之条町に住む65歳以上の全住民約5千人を対象に15年以上、身体活動と病気予防の関係について調べ、そこから導き出したウオーキング法で、全国の自治体や大手企業の健康保険組合などに導入されている。

 県内では、田辺市が13年度から「速歩き健康塾」を開設、年間40人が参加している。「1日8千歩、そのうち速歩き20分」を実践した塾生は、血圧や体脂肪率の改善が見られているそうだ。市健康増進課は「特別に歩く時間をつくれなくても、普段の生活の中で速歩きを心掛けるだけで、健康づくりにつながります」という。

 県民の不健康度は、平均寿命(10年度調査で男性37位、女性45位)や要介護認定率(14、15年度と連続して全国最高)にも現れている。

 これを放置するわけにはいかない。まずはすべての県民が健康づくりへ意識を高め、それぞれに合った運動を続けることだ。健康寿命を延ばせば自身だけでなく、家族や地域社会にも恩恵がある。

 「歩くこと」を生活習慣に取り込もう。同時に、自治体も安心して歩けるコースの整備に力を尽くしてもらいたい。健康づくりが交通事故につながるようでは、本末転倒だ。 (N)


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