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衆院解散総選挙 未来を託せる一票を

 安倍晋三首相が25日、28日に開会する臨時国会の冒頭、衆議院を解散すると表明した。総選挙は10月22日に投開票の予定である。

 解散風は突然吹いた。「離党ドミノ」が続く民進党、態勢が整う前の「小池新党」の状況を見据えて「今しかない」と判断したのだろう。首相は臨時国会で所信表明もせず、かねて首相自身の関与や責任が追及されていた森友学園や加計学園関連の事案についても十分な説明をしていない。

 いわば「大義」が見えにくい中での解散だが、有権者にとっては民意を示す貴重な機会である。約1カ月間、じっくりと考えて自らの意思を表明したい。

 いま、地方に共通するのは、人口減少問題である。そこから労働力や後継者不足による地域の衰退、介護への負担、社会保障費増や税収減による地方財政悪化など、さまざまな問題が生まれ、年を追って深刻化している。

 県の人口は21年連続で減少し、4月1日現在で約94万8千人。1年間で1万人近くも減った。このうち6割以上が自然減。死亡数に対し、出生数は約半分しかなく、減少率は全国上位である。

 社会減も増加傾向。国は東京一極集中の是正を目指しているが、若者の県外への流出は止まらない。大学進学者のうち県外転出者率は約30年続けて全国トップ。帰りたいのに地元に働き口を探せず、都市部などで就職する若者も少なくない。

 働き口の確保には、地方経済の盛り上げが必要だ。安倍政権の経済政策は、都市部や大企業などの一部を潤わせたが、地方ではその実感がない。むしろ経済格差が広がっているとの指摘もある。

 自民党は総選挙の政権公約に、人材育成で経済成長を目指す「人づくり革命」を盛り込むという。その一つとして2019年10月に予定される消費税増税で、増税分の一部を国の借金返済から教育費軽減などに振り向けたいという。

 これによって、少しは出生率の改善が進み、人材の育成が進むかもしれない。しかしながら増税分の使途変更で、膨大な借金の返済が先送りになる。逆に、子どもたちの世代に大きな負担を強いることにもなりかねない。

 これまでの施策の効果を検証することも大切だ。鳴り物入りでスタートした「地方創生」は、本当に地方の自立を促す方向に働いたのか。安倍政権の経済政策は、国民の暮らしを豊かにする方向に進んだのか。外交や防衛問題についての考え方は、広く国民に支持されているのか。

 さらに、福島原発の過酷な事故を受けた今後のエネルギー政策の在り方や森友、加計学園問題に象徴される首相自身の説明責任も問われる。北朝鮮の核開発を巡る問題にも対処しなければならない。

 各党は、今回の総選挙でそうした事柄について将来展望を示し、大いに議論を戦わせてほしい。地方に根を張る有権者もまた、真実を見極めた上で、未来を託す相手を判断したい。 (K)



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