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新宮市長選 未来描く政策論争を

 新宮市長選は、22日の投開票に向け、ともに無所属で立った新顔の前市議、並河哲次氏(32)と、3選を目指す現職、田岡実千年氏(56)が舌戦を繰り広げている。

 2005年に旧新宮市と旧熊野川町が合併して以来、4回目の市長選。田岡氏は初当選した09年の選挙では民主党の支持を受け、自民党県連幹事長を務めた元県議に117票差で競り勝ったが、今回は自民・公明から初めて推薦を得た。8年間の市政について、市民の評価が問われる。

 大阪府出身の並河氏は大学卒業後、新宮市に移住。被選挙権を得た25歳で市議に初当選し、2期目の途中で市長選に挑んだ。

 市の借金(普通会計の地方債残高)がこの8年間で1・5倍に増えたことや人口の減少が続いていることを指摘し「長期的な視点とトップの責任感が欠如している」などと現市政を批判。「人が育ち、帰ってこられるまちに」と訴え、子ども応援基金をつくって人材育成に取り組むこと、観光・IT・木材活用で雇用を創出することなどを政策に掲げている。

 田岡氏は2期8年の実績を強調した上で「まだまだ解決しなければならない課題がある」と市政の継続を訴える。

 具体的な政策として、人口減少対策としての雇用の創出、病児保育など子育て環境の充実、熊野川の濁水対策を含めた観光の活性化などを挙げており「国、県とのパイプも太くなって、3期目はこれまでより仕事がしやすい状況。新宮市のため、市民の幸せのために頑張る」と力を込める。

 新宮市の人口は1960年の4万5666人をピークに減少が続いている。昨年9月には初めて3万人台を割り、今年10月1日現在の人口は2万9447人。合併した2005年(3万3790人)と比べると4343人減った。

 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、市の総人口は、このままのペースでは40年には約1万9600人、60年には約1万3100人になる。市は16年に策定した「市人口ビジョン」で各種施策によって減少のペースを緩やかにし、40年で約2万2千人、60年で約1万8千人を確保するとしている。

 市の行政課題は、人口減対策だけではない。「中心市街地活性化の起爆剤」というふれこみで計画中の文化複合施設が果たしてその役割を果たせるのか。近い将来、必ず発生するといわれる南海トラフを震源とする大規模地震から市民の命をどう守るのか。雇用を生み出し、若者が住み続けられる地域の未来をどう描くのか。

 限られた財源の中で、こうした課題にどう対処するのか。かじ取りを担う市長の役割は大きい。

 市長選の投票率は前回、合併後最低の69・0%(09年74・9%)となった。今回は初めて衆院選と日程が重なっており、投票率が高まるかどうかも注目される。

 両候補には市の未来を見据えた政策論争を戦わせ、市民の関心に応えてもらいたい。 (M)



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