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読書の秋 本と恋をしよう

 今年の読書週間(9日まで)の標語は「本に恋する季節です」。秋の休日、書店でも図書館でも、自宅の書棚でもいい。本に手を伸ばしてみよう。人生を変える「素晴らしい恋」が待っているかもしれない。

 読書はさまざまな能力を養ってくれる。読解力、思考力、表現力…。年代を問わず、趣味として楽しめるし、実用にもなる。その習慣を定着させるために、まずは子どもが「本と出合う」環境を整えたい。

 2017年度の全国学力・学習状況調査によると、県内の小学6年生が休み時間や放課後、休日に学校図書館や地域の図書館を全く利用しない割合が34・9%を占めた。年に数回程度の利用者と合わせると6割を超える。

 読書量も少ない。同じ調査で、1日の読書量が30分未満と回答した6年生が66・4%、そのうち全く読まないが21・9%いる。同様に中学3年生は76・4%が30分未満、全く読まないが43・3%。

 そうした現状を打破するためにどうするか。例えば、田辺市立図書館は司書が学校に出向いて本を紹介する「ブックトーク」を開催している。本の面白さを伝え、聞き手にその本を読んでみたいという気持ちを起こさせることが目標で、紹介した本はすぐに手に取れるよう学校に貸し出している。

 残念ながら本年度の申し込みは10月末までに2校だけ。毎年、年度初めに各校に案内しているが、申し込みは伸びない。読書習慣を身に付けるスタートとして、もっと取り入れてはどうだろうか。

 もう一つは、近年盛んになってきた知的書評合戦「ビブリオバトル」。参加者がお気に入りの本を持ち寄り、順番に5分間でその本の魅力などを紹介する。全員が発表した後、「どの本が読みたくなったか」を基準に聴衆が投票し、「チャンプ本」を選ぶ。

 発表者は本を丁寧に読むし、発表する力も付く。聴衆も知らない本に出合えたり、自分が読んだことのある本でも違った視点からその魅力を発見できる。

 田辺市でも中学生対象の大会を開いており、11日の開催で4回目になる。市立図書館は「中高生にもっと聞きにきてほしい。同世代のオススメなので、より興味が湧くはず」と呼び掛ける。年に1回の大会だけでなく、各学校単位でも開催してもらいたいという。

 一方で、田辺市は昨年度から学校司書を3中学校区にそれぞれ1人ずつ配置し、図書室の環境を充実させた。市教委によると、来室する児童・生徒が増えるなどの効果が出ているという。

 全国では56・1%の市区町村がすべての小中学校に学校司書を配置している。「善は急げ」。効果があるなら、来春からでも全校への配置を進めてもらいたい。

 本離れが叫ばれる一方で、本と出合う場は多様化している。電子書籍も充実してきたし、店内のカフェで自由に本が読める店もある。この秋は、一歩踏み出して本と「恋」をしてみよう。(K)



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