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交通事故とマナー 相手も自分も守る努力を

 田辺市を初めて訪れた友人や知人は決まって「車を運転する人の交通マナーが悪いね。若い人もお年寄りも」という。それを裏付けるように、田辺署管内では人身事故が前年より増えている。

 田辺署によると、県内で今年起きた人身事故は10月末現在で2155件(前年同期比270件減)、死者は26人(同4人減)。県全体では年々減少しているが、田辺署管内だけが増えた。

 同署管内で発生した人身事故は253件(同23件増)。7月末までは165件で前年より1件少なかったが、8月は34件(同12件増)、9月27件(同6件増)、10月27件(同6件増)と増加している。

 内訳は追突事故が66件と最多。次いで出合い頭の事故が60件、右左折時が29件だった。物損事故も増加傾向にあり、駐車場でバックする車同士が衝突した例も多い。

 死者は前年同期と同じ2人。だが、その後、上富田町朝来の国道42号で、歩行中の男性(72)が乗用車にはねられて死亡している。

 田辺市内では、道路交通法違反で検挙される件数も増加傾向にある。若い女性に速度超過の違反が見られるのが近年の特徴という。他にも、車を運転しながら携帯電話をする▽狭い道から一時停止をせずに飛び出す例が多い。横断歩道に歩行者がいても車が停止してくれないので、歩行者が困っている光景もよく見掛ける。

 シートベルトの着用率は、2016年の調査で田辺市は96・2%。県内平均の98・5%を下回っている。

 こうした数字を見ていけば、交通ルールを守らない人が多いことが、事故件数の増加に直結していることがうかがえる。運転者は、自身を守り、相手の命を守るためにも法律を順守しなければならないのである。

 一方、警察の取り締まり状況はどうか。同署の加藤賢治交通課長(48)は「交通課員を総動員し、違反や事故が目立つ早朝や夜間の取り締まりを強化している」という。だが、田辺署の管轄は広い。近畿で一番広い面積を持つ田辺市のほか、みなべ町と上富田町も管轄しており、一路線、一地区に集中しては人員を割けない。取り締まりを増やせば検挙数も増えるが、それが直接、違反の減少率につながらないと嘆く。

 加藤交通課長は「一番なくしたいのは死亡事故だが、警察だけの努力では及ばない。運転者の安全運転に対する自覚なしには、目的は達成できない。そのためにも、家庭や職場、学校でも常に交通安全の意識を高め、注意し合うことが必要」と話す。

 「自分だけは大丈夫」「とっさの時には避けられる」といった過信が事故につながる。誰にでも、一瞬の油断があり、事故を起こす可能性は常にあるのだ。

 ハンドルを握る前から交通マナーを改善しよう。車を利用する人全員が日々、安全運転を意識し、心掛けるしかない。事故を起こしてからでは遅い。 (Y)



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